Vol.4 個人投資家必読の株式投資の鉄則集!
『1日に100万円稼ぐ勝ち組デイトレーダー』『普通のサラリーマンでも15年で2億円作れる!』とか、勇ましい株式本が書店に溢れています。ネットでは、“カリスマ”デイトレーダーのブログにアクセスが集中しているとか。日経平均も1万7000円を超え、年内2万円台復活を叫ぶ強気のアナリストもいますね。
かくいうワタシもネット証券に口座を持っています。2001年頃、ネット証券が続々誕生し、ワタシもネットトレーディングを始めた頃は、刻々と変動する株価チャートに釘付けで、ほとんど仕事になりませんでした。飽きっぽい性格なので、塩漬けどころか氷付けとなった株(ほとんど利益なし)ばかり、トホホ。
そこで今回は、初心に返って株式の勉強を始めようと一念発起。購入したのが『株式投資これだけはやってはいけない』。すでにベストセラーとなっていますが、これから株式投資初心者にとって、太鼓判のオススメ本です。
「保有銘柄を増やさない」「指し値注文はしない」「運用資金の全額投資はしない」など、ちょっとしたことに気をつければ株式投資のリスクは減らすことができる、というのが本書のテーマです。誰しも「あと1円安く買いたい、1円高く売りたい」と思うもの。分かっているけどなかなか実行できない株式投資の基本中の基本が書かれていて、注文の出し方から株価指標の見方、信用取引まで「株式投資べからず集」とも呼ぶべき充実した内容。
「決してやってはいけない」株式売買の落とし穴や、株価指標の読み方などの基本的なテクニックなど、「株で一億円儲ける!」など勇ましいタイトルの“儲け本”とは一線を画した堅実な内容です。証券会社経験の長い著者が、自身の投資体験に基づいて書いているので説得力も十分。
「将棋や野球と違って、同じ土俵でプロと初心者が対決している」「株式投資に必勝法はない」など、思わずうならされる警句も満載。特に「あなたの人生の目的は株価のチェックだろうか?」の一文には、頭を垂れるしかないワタシなのでした。
一読したワタシの結論としては、株式投資はあくまで自己の余裕資金でやること。そして株価チャートに見入って自分を見失わないこと。だって業務時間中にネットトレーディングしてたのがバレて、解雇された人いましたよね。
あくまでも楽しみと株式投資を続けていきたいと思います。ちょっと株で儲けたからって、デイトレーダーを目指すなんてリスク高すぎ。それより自分の仕事をまじめにこなして、スキルアップする方がずっと建設的ですよね。
お役立ち度 5 株式投資の即実戦に活用できます
読みやすさ 4 専門用語も分かりやすく説明してくれます
東保 裕之(とうほ・ゆうじ)
ビー・アール・ビーインベストメント代表。1959年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。1983年山一証券入社、経済研究所経済調査部、支店営業、株式トレーダーを歴任。1999年、個人投資家向けの投資顧問会社ビー・アール・ビーインベストメントを設立。
長田イク子
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