Vol.2 今が家の買い時?賢いマイホーム購入術
こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの長田です。地球規模の浪費癖(?)から某国の財政を破綻させ、王宮を追われた流浪の王妃:マネーアントワネットとの対話を通じて、日本の経済ニュースやマネー環境をトコトン探っていきたいと思います。今回は「今が家の買い時? 気になる地価と金利の上昇! ローン破綻で地獄をみない賢いマイホーム購入術」がテーマです。
FP長田:家が欲しいか~い? イエ~ィ。なんてシャレている場合じゃありません。先日、国土交通省が発表した2006年1月1日時点の公示地価によると、東京、大阪、名古屋の3大都市圏の商業地が15年ぶりに上昇に転じ、東京都は住宅地を含めた全用途でも15年ぶりに1.4%上昇したことが明らかになりました。なかでも港区、渋谷区では上昇率が2割近くに達したところもあり、首都圏の下げ止まり、反転傾向が鮮明になりました。日銀が量的金融緩和を行ったことで、すでに預金金利は上昇し始めており、住宅ローンの金利もこれから上がることは必至。一方、消費税率の引き上げ論議の行方も気になるところです。マンションは数千万円もする大きな買い物で、消費税率が上がれば支払う額の上昇幅も当然大きくなりますね。
マネー王妃:まあ、そろそろ東京で“マイホーム”ならぬ“マイパレス”を買おうかと考えていたのに~。焦っちゃうわ。住宅ローンは数千万円のお金を借りるから、借り入れ金利の差は大きいのでしょう?
FP長田:35年ローン固定ローンの金利が3%から4%に上昇したら、3000万円の借り入れで、トータルの支払額は約700万円も増えることになります。金利上昇時には長期の固定金利型のローンを組むことが鉄則。来年4月には住宅金融公庫が廃止され、独立行政法人住宅金融支援機構へ生まれ変わりますが、移行後も引き続き証券化支援業務を活用した長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を利用することができます。
また住宅ローンの分野では、たくさんの銀行が激しい顧客獲得の競争を繰り広げていて、選択肢が豊富です。その中から、なるべく低利で、自分の家計状況や将来設計に見合ったローン商品を見つけ出すと良いでしょう。
マネー王妃:何だか夢が出てきたわ。
FP長田:ただし好条件の住宅ローンは誰でも組めるワケではありません。フリーターや生命保険に入れない人、クレジットカードの返済が滞ったことがある人、消費者ローンを利用中の人は断られることも。以前ほどではないですが、仮に倒産間際の会社から超優良企業にステップアップの転職を果たしたとしても、1~2年ぐらいの勤続年数では借り入れ審査が通らないケースもあります。もしいい物件に出会ったら、転職する前に購入するのも手です。
また頭金は購入物件価格の2割というのが原則。仮に3000万円の物件購入を考えているとしたら、頭金に充てられる600万円の余裕資金が欲しいところ。手持ちの資金がなくて0円で家を買おうと考えているならば、「甘い、やめなさい」とアドバイスします。これまで辛抱強く貯蓄が出来なかった人が、長期に渡るローンを返せるとはとても思えません。
マネー王妃:わっ。耳が痛い。
FP長田:そもそも住宅は慌てて買うものではありません。ここ数年のうちにマイホームを買う予定だった人が、住宅ローンの金利が上がりそうな今、前倒しで計画を早めるという発想はあってもいいと思いますが、「地価が上がってきた」「金利が上がりそう」だからといって、自分の家計状況や将来設計を十分に考慮せず、すぐマイホーム購入に走るのはローン破綻のモトです。
次回は、ローンで破綻しないための具体的なアドバイスをお教えしますね!
長田イク子
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