Vol.1 新社会人の企業研究にオススメの一冊!
はじめまして。カーラ・カリーナから、こちらのマネーサイトへ、春らしく引っ越し(?)をしてきたファイナンシャル・プランナーの長田イク子と申します。今、話題の旬なマネー情報、知っていると役立つマネー知識をドシドシお届けしたいと思っております。どうぞ宜しくね。(^_-)-☆
さて4月はぎこちないスーツ姿の男の子や女の子が通勤電車に、オフィス街に溢れています。まさに春の風物詩。思わず「ガンバって!」って肩を叩いてあげたくなりますよね。
フレッシュマン&ウーマンにとって、4月はお金を稼ぐことの意義について考えるいい季節でもあります。そこで今回は緊張感あふれる新入社員はもちろんのこと、心身共にちょっとユルんできた“ちょいユルオヤジ”(ごめん!)にもオススメのビジネス書を紹介いたします。タイトルもズバリ、『本田宗一郎と井深大―ホンダとソニー、夢と創造の原点』。(著者:板谷 敏弘、益田 茂)
先日、家の近くの書店ではいかにも新社会人という男女のカップルがこの本を手に盛り上がっておりました。夢がある若い時って、いいですね~(遠い目でシミジミと)。
ライブドア問題に象徴されるような、「お金さえ稼げればいい」といった風潮を考え直すにはもってこいの一冊ですよ。
かつて、若い日の夢を決して捨てずに、それを見事に実現させた企業家たちがいました。その代表格は、今回のテーマともなる本田宗一郎さんと井深大さん。
説明不要の日本が世界に誇る大企業「ホンダとソニー」の創業者2人のヒューマンストーリーを、スーパーカブ、トランジスタラジオ、トリニトロンテレビ、シビック、そしてウォークマン……。ホンダとソニーが世界に送り出した独創的な製品の写真もちりばめられ、資料的価値も十分。
1961年にホンダが念願の四輪進出をめぐって、本田宗一郎さんが通産省(現・経済産業省)と大ゲンカしたエピソードや、トランジスタラジオを引っさげて、1958年にアメリカに渡ったソニー(当時は全くの無名企業)のもう1人の創業者・盛田昭夫さんが、大手時計会社から「自社のブランドなら10万台オーダーする」という申し出を、断腸の思いで断ったエピソードなど、これぞ、正真正銘の“プロジェクトX”!
読んでいて思わず「地上の星」を口ずさんでしまいました。♪つぅばめよ 高い空から 教えてよ 地上の星を~♪(中島みゆきさんらしくちょっと鼻にかかった声で歌ってみる)
で、その中でもワタシが一番感動したのは、本田宗一郎さんの奥さんのエピソード。
ホンダ創業間もない頃、ガソリンタンクを作る材料がないので、本田さんは奥さん愛用の「湯たんぽ」(!)でエンジン付き自転車(の試作車)を作ったそうです。
「一年間何もしないでおかあさんに食べさせてもらったけど、こういうものができたからおかあさんに一番初めに乗ってもらうよ」って。いや~、いい話じゃありませんか。結局、燃料漏れして使い物にならなかったそうですけど、ホンダ初のテストドライバーは、奥さんだったのですね。
文庫サイズで200頁ちょっと。巻末にはお二人の年譜と参考文献が収録されているので、本書をキッカケに、ホンダとソニーの企業研究してみるのもよろしいのではないでしょうか?
お役立ち度 5 仕事に前向きになれます。でも自分との違いに悲しくなるかも。
読みやすさ 4 スイスイ読めます
板谷 敏弘
1961年、東京都生まれ。青山学院大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程中退。東京都江戸東京博物館学芸員
益田 茂
1967年、東京都生まれ。日本大学大学院文学研究科史学専攻博士前期課程修了。東京都江戸東京博物館学芸員
長田イク子
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